何日か前に秋葉の中央通りの交差点で信号を待っていると、お巡りさんがサラリーマン風の男の人から話を聞き終わって「じゃ、」と立ち去るところだった。
その後なにげなく気にしていると、サラリーマン風の男の人はふらふらしながらこちらのほうへ歩いて来た。
額には赤くなった部分があり、端から見てかなり参っている風だった。
何か事件に巻き込まれたのだろうか...。
ほどなく信号が青に変わり、私は中央通りを少し進んで路地に入った。後ろを見るとさっきの男の人が居た。細い路地は人通りが少なく、私とその人しか居ない。
気にしつつも歩いていると、その人は道端に座り込んで、頭を抱えてしまった。
最近はAボーイ目当てのカツアゲがかなりある、というニュースを見たことがあったが、あれはそうだったのだろうか。
何にしても最近の秋葉原は様変わりしていて、喫茶店に入ったりすると以前とは客層が違いすぎて驚くことがある。アイドル志望風の若い女性とホストっぽい男数人が、芸能プロダクションへの売り込みについて打ち合わせしていたりとか。
あの男の人はAボーイというよりは普通のサラリーマン風だったし、カツアゲじゃなくてもただ道端で肩が触れたとかそういうののトラブルなのかも知れない。
肩が触れたらバトルに発展しそうな街、アキバ。こわいね。
高級電子機器なんかぶら下げて路地裏を歩いてたら、それこそヤツらのカモ。
「ひゃっはー! ここは通さねえぜ!」
「や、やめてください」
「なんて良いキーボードを持ってやがる! Cherry、しかも二色成形だぁー!」
「お、お願いします、これだけは見逃してください」
「フヒヒ、だぁめだぁーお前にはもったいない! これは我々が...ヒィ、ケンシロウ!?」
(略
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